クランベリーは北米の湿原帯を原産とするツツジ科の植物で、他の果物や野菜、肉、でんぷん質など、どんなものにも合う果実です。
生のクランベリーが最も多くのメリットがありますが、クランベリーの使い道は無限大です。
もちろん生でも美味しいですし、調理、乾燥、缶詰、粉末、ジュース、またカプセル化されたクランベリーなど、クランベリーは私たちにたくさんの健康効果をもたらしてくれます。
今回のコラムではクランベリーの健康効果を最大限に引き出し、一年中楽しめることを知っていただくことが目標です。
クランベリーの健康効果
2.抗酸化作用の『ビタミンE』
クランベリーは、優れた抗がん作用があり、特に乳がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんに対して優れていることが多くの研究で明らかになっています。これは強い抗酸化作用があるビタミンEががんなどのげんいんとされる過酸化脂質の生成を抑えることにあります。
3.ポリフェノールの1種『プロアントシアニジン』
アントシアニンクランベリーは成長の過程で浴びる太陽光と水のおかげで、輝くような赤い皮から大量のアントシアニンを見ることができます。
この抗酸化物質は、体内の細胞にダメージを与えるフリーラジカルを除去することで、心血管疾患や一部の癌のリスクを低減するのに役立つ可能性があります。
4.クランベリーは優れた抗炎症剤です。アスピリンに含まれるサリチル酸を含むだけでなく、口、歯茎、胃、大腸、循環器系の炎症を抑える様々な特性を備えています。
5.クランベリーは腎臓結石(特に尿酸結石)の発生率を低下させる効果があります。
※ただし、カルシウム、リン、シュウ酸塩、マグネシウムの過剰摂取による結石のある方は、クランベリーを避ける必要があります。
Cranberry Instituteで紹介されたアルピタ・バス博士の研究では、クランベリーが「糖尿病患者の食後血糖値や空腹時血糖値のコントロールに役立つなど、さまざまな形で糖質代謝に影響を与える」可能性があることが示唆され、大きな期待を集めています。
クランベリーを摂取する前の注意事項
ワルファリン(血液凝固阻止剤)を使用している方は、クランベリーおよびクランベリーを含む食品・飲料を避けてください。ワルファリン服用中、クランベリージュース飲用で薬効の増強が認められ、消化管出血による死亡例が報告されています。ワルファリンを代謝する代謝酵素(CYP2C9)をクランベリージュース成分が阻害し、薬効が増強されたためと考えられています。
クランベリーには、アスピリンの代謝産物であるサリチル酸が含まれています。正確な量は異なりますが、対照研究において、クランベリージュースを摂取した人は、1週間以内に尿中、2週間以内に血液中のサリチル酸の濃度が上昇したことが確認されています。
シュウ酸塩やリン酸塩を含むカルシウム、マグネシウムの過剰摂取が原因で腎臓結石になりやすい人は、クランベリーを避けましょう。
まるごと食べるクランベリーは、クランベリーの成分や断片だけよりも多くのメリットがあります。ギリシア古典期の偉大な哲学者・アリストテレスは「全体は部分の総和に勝る」と伝えています。
つまり、乾燥した粉末やジュースでは、丸ごとのクランベリーと同じような効果を得られることはほとんどないのです。
しかし、だからといって、クランベリーをさまざまな形で楽しんでいけないかというとそんなことはありません。クランベリーの栄養素を生かすために、食生活にクランベリーを取り入れる方法はたくさんあるのです。
クランベリーは、氷を入れたドリンク、スプリッツァー、または爽やかなナトリビュレットの調合で楽しむことができます。また、サラダに混ぜて食べるのもおすすめです。乾燥させたり、凍らせたりして、お好みに合わせてお楽しみください。クランベリーの楽しみ方は人それぞれですが、一年を通して楽しんでください!